学校のカイダン第７話スピーチ内容を徹底解説　伝わる上手な話し方の極意

謎のスピーチライターが指南した伝わる上手な話し方のコツ

・欠点があり平凡な方が愛される。

謎のスピーチライターは、人心を集めるツバメにライバル心を燃やすセレブ軍団の女王Mに対し、お前は欠点がない美人だから愛されないのだと言います。ツバメのようにチビで馬鹿な方が人はついてくるというのです。

プレゼン（発表）、営業、講演、面接、スピーチのいずれにおいても、自分を大きく見せようとするよりも身近な親しみやすいイメージを訴えた方が得策だということです。

・聴衆を引き付ける意外な動作を入れる

ツバメがマイクを投げ捨てメガフォンを持ち出した第１話等再三登場しているテクニックです。今回はツバメの代わりに謎のスピーチライター本人が登場しましたが、学校の講堂の屋根の近くに車いすで登場し意表を突きました。

プレゼン（発表）、講演、スピーチでは、自己紹介から入らざるを得ない部分もありますが、するとよくある話だとの先入観を持たれてしまうこともあります。伝わる話し方を考えるうえで、それぞれがその状況で許される最大限の意外性を発揮すると、相手は期待感を持つはずです。

・まず怒りをぶつける

第４話などで何度か登場しているテクニックです。いつもの定番は「怒りをぶつける→悲しみをぶつける→願いを述べる」の流れでしたが、今回は謎のスピーチライター本人が登場したため複雑なものでした。

・「転」で形勢を一気に逆転できるよう古典的な起承転結を使う

謎のスピーチライター本人のスピーチは、古典的な伝わる話し方である起承転結と言ってもよいでしょう。

起　…　聴衆にお前たちは風に揺られぬくぬくと温まっているだけのミノムシだ、と怒りをぶつけます（たとえ話を兼ねています）。

承　…　自分で考えずちょっとした噂に翻弄されるような生き方では、社会に出て保護を失ったときに生きられないミノムシなのだとたとえ話の本質を明らかにしていきます。

転　…　反発する聴衆に対し、ミノムシではない？そう思うならお前たちは風に左右されず自分の頭で考えることができる力があるということだと相手を認めてしまいます。

結　…　自分の頭で考えるなら、ツバメの話を聞いて自分で判断してほしいと願い出ます。

比喩（たとえ話）で「起」こして、種明かしで話を継「承」し、論理を「転」じ、自分が伝えたい「結」論を納得させるわけです。

例として、どうしてもこれまでのやり方を変えない部下（これまでの勉強法を変えない生徒）というような設定をしてみます。

起　…　「お前はてこでも動かない岩」だと言い放ってみます。

承　…　岩は生き物でないから成長せず擦り減っていくだけだ。君も一度決めたことを守り成長せず擦り減っていく人間なのか？と問いかけます。

転　…　（相手から「違う」という反応を引き出しつつ）もし成長するという存在だというならば毎月のように創意工夫するはずだ、と諭します。

結　…　仕事（または勉強）のやり方を変えてみたらどうか。決めるのはそちらだ、と結びます。

・相手を認める／誉める

認められて悪い気がする人は絶対にいません。まず相手を評価する言葉を口に出して言うのは伝わる上手な話し方の鉄則と言えます。

プレゼン（発表）、営業、講演、面接、スピーチのいずれの場面でも必ず最初の方に相手を認め誉める言葉を入れていきます。例えばこんなに静かに話を聞いてもらったのは初めてで、非常に熱心な方ばかりです、と冒頭で話者に言われれば誰も悪い気はしません。